正義と微笑

numb_86のブログ

なぜ「プロフェッショナル」に憧れるのか

プロフェッショナル原論 (ちくま新書)

プロフェッショナル原論 (ちくま新書)


 何でもいいからプロフェッショナルになりたくて、プロフェッショナルな仕事をしたくて、手に取った。
 そんな幼稚な動機で読み始めたからだろう、あまり響くものはなかった。「税理士や会計士みたいに資格で守られた仕事に就きたいよなあ」という、しょーもない感想を抱いただけです。
 今の自分とあまりにかけ離れていることも、理由の一つかもしれない。プロフェッショナルの価値観やルールが記されているが、ピンとこない。書かれている内容は理解できるのだが、自分の中には入って来ない。別世界の話だ。
 己の裁量で、自己完結的に仕事ができるのは、魅力的だ。案件型の仕事が基本で、クライアントの依頼に応える形で仕事を進めていくのも、憧れる。
 でもさ、俺の仕事はそうじゃないんだよな。根本的に違う。
 …
 ここまで書いてきたが、なんか違う。重要なことはそこじゃない。今の仕事のスタイルが本書で言う「プロフェッショナル」かどうかは、どうでもいいんだ。本書が心に響かなかった理由は、そこじゃない。
 俺はなんでこの本を手に取った?
 そもそも、なんで「プロフェッショナルになりたい」と思った?

私はなぜ「プロフェッショナル」に憧れるのか

  • 楽しい仕事をしたいからだ。「仕事が楽しい」という発想自体がなかった。「仕事」とは、与えられるもの。言われたことを、ヒーコラ言いながらこなしていくこと。いつの間にかそう思い込まされていた。でも、そんな仕事を定年まで続けるのは嫌だ。変えられるのなら、変えたい。
  • やりたいことをやりたい。そのためには、会社に頼っていてはダメ。自力で食えるようにならないと。プロフェッショナルになれれば、会社に頼らず自分の腕で食っていけるのではと考えた。そうなれば、自分の責任で、やりたいことに取り組んでいける。
  • 自分の腕一本で生きていく生き方に、憧れたから。どこにも所属しない感じが、カッコイイ。「男の生き様」って感じもするし。
  • 食うのに困らない、っていうのは大きいよね。
  • 自分の裁量で仕事したい。自分でデザインしていきたい。本書でも書かれてる、自己完結型の仕事に憧れる。プロフェッショナルになれれば、自分の裁量で自由に仕事ができるはずだ。

 ざっとこんな感じか。
 まとめると、「サバイブしたい」と「好きなように働きたい」という二つの欲求が、根底にあるのかな。そして、プロフェッショナルになれればその問題を両方とも解決できるのではないかと考えた。
 つまり、俺のなかには既に「プロフェッショナル」というものに対して何らかのイメージがあって、それに憧れているに過ぎない。だから、世間一般で言うところの「プロフェッショナル」とはその内実が違っている可能性もある。プロフェッショナルのなんたるかを説明した本書に感動しなかったのも、そのためだ。

「プロフェッショナル」という言葉が一人歩きしている

 だけど、憧れてるわりには、「プロフェッショナル、プロフェッショナル」と連呼してるわりには、その中身を具体的に描くことは出来ない。スカスカのイメージ。ホントに憧れだけなんだ。ぼんやりと夢想しているだけで、ハッキリしたビジョンがあるわけではない。
 俺の頭の中にある、ぼんやりとしたプロフェッショナル像。
 それを明晰化していきたいんだ。そのためのヒント、あるいは解答を、本書に求めた。だけど違うんだよね。本書は、あくまでも筆者が思うところのプロフェッショナルを解説したものに過ぎない。だから、ピンとこなかったんだ。

  • 憧れだけで未だ明確にイメージできない「プロフェッショナル像」を、少しずつ具体化、体系化していきたい。自分の目指すところを明確にしていきたい。
  • そしてそれが出来たら、その理想に近づくために自分は何をすべきかを、明らかにしたい。

 この二つが、俺の望みだ。その望みを達成するための手段にならないかと、本書を読んだ次第である。
 だけど本書にそれを求めるのは、お門違いだった。

自分独自に「プロフェッショナル」の定義をつくればいい

 では、何を、どんな本を、読むべきか。

  • 自分の「理想の生き方」を具体的に描けるようにするための本
  • 「理想の生き方」を既に実践している人、その道のりやライフスタイルを学べる本
  • 「理想の生き方」を実現するために役立つ能力やスキルを教えてくれる、授けてくれる本

 かなり抽象的な気がするけど、こんな感じか。取り敢えずは、いろんな人たちの生き方を知ろう。世の中にはどんな人たちがいて、どんな仕事の在り方があるのか。それらを知ることで触発され、自分なりの理想の生き方に気付くキッカケになるかもしれない。
 巷の「プロフェッショナル論」のようなものを読む必要はない。「プロフェッショナル」という言葉に囚われてはいけない。「俺が思うところの、自分なりのプロフェッショナル」に近づいていくために役立つかどうか、それだけが重要なんだ。自分なりの「プロフェッショナル理論」を構築していこう。
 必要なのは案外、ハウツー本なのかもしれない。サバイブしていくための、諸々の術。思考法。そういうことが書かれた本。
 とにかく、俺が読むべきは本書(やそれに類似するもの)ではない。そのことに気付けただけでも、本書を読んだ価値はあったかもしれない。