正義と微笑

numb_86のブログ

かけがえのない今

 生きるために、働いてる。人生のために、仕事がある。当たり前だ。
 だけど現実は、仕事のための人生になってる。仕事中心の生活。朝早くから夜遅くまで仕事があるから平日は拘束されてしまうし、次の週に向けて週末はリラックスしないといけないし、明日も仕事だから早く寝ないといけない。仕事を中心にして、俺の生活は組み立てられている。
 で、そんな毎日は、幸せなのかい?まさか。楽しくないよ。つらいよ。疲れてるよ。向いてない。好きじゃない。
 じゃあどうして、こんな思いをしながらも俺は働いているのか。他でもないこの生活を、守るためだ。こんなしみったれた生活のために、今日も俺は、会社に行く。
 なんかおかしくないか?
 生きるためには働かなきゃいけない。生活のために仕方ない。そうやって俺たちは働き続けて、その結果生み出されるのが、このどうしようもない日常。こんな毎日を再生産するために、今日も俺は働く。やっぱりおかしいよ。
 好きでもないのに嫌々働いている。「生活のためだ」と自分に言い聞かせながら。だけどその「生活」は、守るほどのものなの?「生活」のために始めた仕事が、結果的に「生活」を台無しにしてしまってる。こんなにもつまらない現実を守るために、一生働き続けないといけないなんて!
 これが人生というやつなのか?これが生きるということなのか?
 辞めちゃえば?
 仕事を辞めれば生活は立ち行かなくなるが、こんな生活に、守るほどの価値があるとも思えない。別に続けたいとも思わないしな。仕事を辞めることで自由になれるのなら。解放されるのなら。

人間は未来ということを考えると、必ず現在というものを犠牲にするか手段化するという不思議な動物であると私は思います。


三島由紀夫『文化防衛論』ちくま文庫 p313

 生活のため、老後のため、そんな下らない理由のために俺は、かけがえのない今を台無しにしている。二度とは戻らない今を、「未来」なんていう、不確かでいい加減なもののために、貶めているのだ。ドブに捨ててるようなもんだよな。「将来」などという、どうでもいいもののために、つまらない日々を送ってる。
 「今」こそが、一番重要で、何よりも大切なもののはずなのに。


文化防衛論 (ちくま文庫)

文化防衛論 (ちくま文庫)