正義と微笑

numb_86のブログ

先駆的覚悟性

 明日死んでしまうかもしれない。そう思えば、自分のやるべきことが見えてくる。全力で取り組むべきことが。日々の雑事にまみれて忘れてしまっていることを、思い出せる。自分の本来の姿。

でも結局のところ、人間って「今死ぬかも知れないけど、それでよいのか」と思ったときに、大きな人生の決断が出来るんじゃないのか、と今は思う。
(中略)
人生は一度しかなく、いつ死ぬかもわからない。
だったら、自分が組織運営や経営に興味があるなら、今それがやれる職業に就くべきじゃないか。


私が人生の進路変更をした本当の理由 - My Life After MIT Sloan

そのときに考えたのは仕事をやめて地方に行くことや自分の実家に帰ることではなかった。親や家族に会うことですらありませんでした。ただ、いちどでいいから「生きている」という実感を持ちたいという、そのことでした。生まれてはじめて「死ぬかもしれないという恐怖」が「恥をかくかもしれないという恐怖」に勝ち、ずうずうしかろうがなんであろうが、なりふりかまっていられない気持ちになりました。


『ビデオメイトDeLUXE』終刊 - 雨宮まみの「弟よ!」

 本当はもっと哲学的で思想的な意味があるんだろうけど、ハイデガーを思い出す。

未来にある死を見据えれば、われわれはこの死へ向けて何をするかという決断を、いまここで下さなければならないと考えるはずでしょう。このような未来を先取りした決断(ハイデガーの言い方では「先駆的覚悟性」)こそが、いまここで本来なすべきことなのです。


佐伯啓思『20世紀とは何だったのか』PHP新書 p96

 何だったっけかなあ…。俺が本来やるべきことは。
 明日、死んでしまうかもしれないんだ。今日、やらないと。取り組まないと。