正義と微笑

numb_86のブログ

ニートよ、今夜は震えて眠れ

 実際にはニート(ひきこもり)のときには暢気に暮らしており、ベッドのなかで震えてたのは小学生の頃でした。震えてたっていうと大げさですが、毎晩、何かに悩んでた。
 悩みたがりっていうのかな?わざわざ自分から明日の懸念事項を探してきて、「ああ、明日どうしよう」と悩んでた。事前に不安材料を洗い出しておくことで、心の準備をしておいたのだと思う。テストの出来をわざと悪く予想しとく、みたいな。そうすれば実際に悪い点数だった時の心理的ダメージを抑えられる。そんな感じ。本当にただ悩んでるだけで、対策を考えていたわけでもなく。ただの現実逃避だったかな。


 あの頃の俺は、「毎日つまんねえな」「学校ヤダな」って思ってたけど、全国のニート非正規労働者社畜の皆さんも、そんな気持ちで過ごしているのだろうか。違う人もいるだろうけど、そういう人が増えている気がする。ゆっくり眠れるのは金曜の夜だけ。日曜の夜なんか、死にたくなる。サザエさん症候群?サザエなんて甘いもんじゃない、死にたいんだよこっちは。憂鬱な気分で、今日も床に就く。高齢ニートの人たちは、将来への不安や孤独に悩む夜があったりするのかもしれない。


 犯罪者や「ろくでなし」がそういう生活する分には構いませんが、大多数のニート社畜の皆さんは、違うはずです。才能はないかもしれないし、図抜けた努力もしてないかもしれないけど、「普通の人」です。「弱い人」かもしれないけれど、それなりに真面目にやってきたはずです。
 そういう人たちが毎日憂鬱な気分で生きているのだとしたら、やっぱりそれは望ましい社会とは思えないわけで。「自己責任」では無いよねえ、やっぱり。「幸せ」を平等に分配しろとは思いませんが、普通の人は普通の人なりに、平穏な日々を送れる社会であってほしいです。


 とはいえ、リベラルな人たちみたいに「権利」を主張する気にもなれない。政府や体制を相手に大声で騒ぎ、何かを「要求」するのは、スマートではない。そんなことをしても効果は乏しいだろうし、そもそも、すごいダセーよ。時代遅れというか。有効な手法ではない。


 この時代を楽しんでいる人たちもいる。逞しく生き抜いている人たちがいる。
 起業、フリーランスノマド、海外ニート
 ネットを覗けば、なにやら面白そうに、自由に生きている人たちの姿を、確認することが出来る。


 これからの時代のオルタナティブを、彼らは示している。新しい生き方。これからの時代を生き抜くヒント。だがそれも、多くの「普通の人」「弱い人」にとって救いにはならない。
 到底真似できるものではないからだ。それは彼ら自身も言っている。厳しい世界だ、万人にオススメできるものではない、決して楽な道ではない……。


 そんな彼らを見て、全国のニートさんや社畜さんはどう思いますか?
 俺は、苛立ちます。憧れると同時に、嫉妬とか何やらで、モヤモヤした気分になる。何故だろう?


 それは多分、彼らのようになることでしか「自由」や「充足感」を手に入れることは出来ないのに、彼らはそれを否定するから。あんだけ自由を見せつけておいて、「実力無い人は真似しないほうがいいよ?」とか言いやがる。ふざけやがって。
 もちろん、彼らは一切悪くない。俺が一方的に苛立ったり嘆いたりしているだけ。
 だけど俺だって何も無理して、彼らのようになりたいわけじゃないんだよ。平穏に生きていけるなら、それでも構わない。でも、そんな道はもう無さそうなんだ。彼らのように弱肉強食の世界に飛び込んで戦うか、最初から負け犬として鬱屈とした気持ちを抱えて生きていくか。二者択一。
 「ハイリスク・ハイリターン」な生き方と「ローリスク・ノーリターン」な生き方しか存在しないなら、前者の方がまだ希望がある。だけど、自分にそれを耐え抜くだけの実力がないことに、うすうす気付いてしまっている。だからイラつくんだ。


 平凡な人が平凡に暮らせない社会は、やっぱりおかしいと思う。実力がある人たちは勝手にやってればいいけど、実力のない人たちが、ただそれだけの理由で惨めな生を送るしかないとすれば、やっぱり、是正していくべき。どうにかして対処していくべきだと思うんです。


 全く新しい生き方を見出していくのか、それとも価値観を変えて今の生活に幸せを見出していくのか。とにかく、「普通の人」のための生き方ってものを、模索していきたい。
 「平凡」や「平穏」ってのは、実はものすごく贅沢なものなのかもしれません。だけど俺は、そんな贅沢が許される社会になってほしいし、そのために自分は何をすればいいのか考えたいと思っています。


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眠られぬ夜のために〈第1部〉 (岩波文庫)

眠られぬ夜のために〈第1部〉 (岩波文庫)


 学生時代、この本にけっこう救われた記憶がある。
 人間にとって、思想ってのはすごく大切なものだと思う。決して無力なんかじゃない。