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正義と微笑

numb_86のブログ

テレビゲームならではの強み、「ロールプレイ」

 ロールプレイとは、役割演技のこと、文字通り、役割を演じることである。要は、ごっこ遊びだ。
 テレビゲームの主要ジャンルの一つであるロール・プレイング・ゲーム、いわゆるRPGは、勇者や冒険者などの役割になりきって遊ぶから、その名がついた。多分。
 だがこの記事では、RPGというジャンルについてではなく、もっと広く、テレビゲームに対する態度や遊び方としての「ロールプレイ」について、考えてみたい。


 そもそも今はそんなにゲームをやらないんだけど、10代の頃と大人になってからとでは、ゲームの遊び方がわりと異なる。
 好きなジャンルは、あまり変わらない。反射神経や手さばきが要求されるものは苦手だから、のんびり出来るRPGやシミュレーションを好む。
 だけど、遊び方はちょっと変わった。
 10代の頃は、「攻略」や「効率」が第一だった。ゲームを早く進めること、効率良くプレイすることに、主眼が置かれた。与えられたものを、そのまま消化していく。
 だけど大人になってからは、「攻略」よりも、自分なりに楽しむことを重視するようになった。具体的には「なりきり」というか、文字通りの「ロールプレイ」を楽しむようになった。


 たとえば、RPGなどのジャンルでは、選択肢が提示されてプレーヤーがそれを選択する、というシチュエーションがよくある。そういう時、10代の頃は、単純に「正解」を選んでいた。「これがベターなんだろうな」と思われるものを、「これを選んだほうがその後のゲームの進行が有利なんだろうな」と思われるものを、選んでいた。
 だけど大人になってからは、敢えてその世界に入り込んで、このキャラクターだったらどう答えるんだろうか、俺が同じ状況に陥ったらどう対応するだろうか、といった観点から、選ぶようになった。例えそれが、「正解」ではないだろうなと感じても。
 また、武器や防具などの装備品についても、「こだわり」や「なりきり」を優先させることがある。以前は単純に能力や利便性だけで選んでいたが、見栄えの良さとか、キャラクターに似合うかとかも、考えるようになった。


 まあ、どっちの遊び方が正しいってことは、もちろんない。プレーヤーごとに、好きにやればいい。
 だが、ゲームという媒体の魅力や強みを考えるとき、「ロールプレイ」というのはけっこう重要な要素だと思う。


 いろんな解説や定義があるとは思うが、俺は、テレビゲームの重要な構成要素の一つに、「インタラクティブ性」があると思っている。つまり、相互に作用する、ということだ。
 ユーザーが何かを入力し、その結果が、画面に反映される。それを受けて、ユーザーはまた何かを入力する。そしてまた、結果が返って来る。テレビゲームというのは基本的に、この繰り返しだ。
 そしてこの「インタラクティブ性」が最大限に効果を発揮するものの一つが、ロールプレイだと思う。


 感情移入というのは、物語を盛り上げるための、きわめてオーソドックスな手法だ。映画でもマンガでも、使われている。だがそれらの媒体では、「見るだけ」なのだ。どんなに主人公に感情移入しても、見守ることしか出来ない。もちろん、それが悪いわけではないのだけれど。
 だがテレビゲームでは、主人公の行動を操作できるのだ。ユーザーが、その世界に介入できる。ユーザーがキャラクターを操作することで、物語を進めていく。
 もちろん、結局はプログラムされた範囲の中でしか行動できない。だから、与えられたレールの上をただ歩いているだけとも、言えなくはない。
 それでも、たとえ見せかけのうえでも、物語のなかのキャラクターになりきって、冒険をしたり好きなアイテムを装備したり女の子と仲良くなったり出来るというのは、他の媒体にはないゲームの大きな特徴の一つだ。


 ロールプレイは、テレビゲームの楽しみ方の一つに過ぎない。そういう要素が一切なくても面白いゲームだって、たくさんある。
 ただ、テレビゲームが今後、他の媒体や娯楽との差別化や生き残りを図っていく上で、「ロールプレイが出来る」というのは、かなりの強みだと思うのだ。