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正義と微笑

numb_86のブログ

「自信を持つ」ための方法

 「自信を持て」と言われても、どうしたらいいか分からない。

 自信を持つことの大切さはよく分かるが、持てと言われて持てるものでもないし、具体的にどうすればいいのか、漠然としすぎて見えてこない。
 そんな時は、問いの立て方を変えると、何か見えてくるかもしれない。

 どうすれば自信を持てるか、ではなく、どのような振る舞いが、自信のある行動なのか、それを考える。
 「自信」は漠然としすぎているが、「自信のある行動」は常に具体的だ。
 自分の生活のなかで、その状況下で、どのように行動するのが「自信のある人間の態度」なのか、そこからイメージしていく。


 以前読んだ『荒木飛呂彦の漫画術』は、物語の創作において、キャラクターが重要なんだと強調していた。テーマや世界観よりも、キャラクターが上に来る。魅力的なキャラクターかどうかで、漫画の出来の大部分が決まる。

 これには、違和感というか、自分とは違うなと思った。自分は世界観とか、テーマとかを、重視しているから。
 テーマや世界観を味わいたいし、表現したい。

 だが、テーマを描くためにも、キャラクターが重要なのだと気付いた。キャラクターの行動や物語こそが、テーマや世界観を表現してくれる。
 キャラクターが活き活きとしていれば、それだけ、テーマも伝わりやすくなる。
 作者が描きたいのが「勇気」だったとして、抽象的に「勇気とは何か」をウダウダ述べるより、キャラクターに勇気ある行動を取らせたほうが、よっぽど伝わる。

 作者のモチベーションが、キャラクターを描くことではなく、「戦争の悲惨さ」や「友情の素晴らしさ」などのテーマや、「荒廃した近未来都市」などの世界観を表現することだったとしても、それを可能にするのは、キャラクターたちなのだ。あくまでもキャラクターを通して、テーマや世界観が表現される。


 創作だけでなく、現実においても同じことが言える。
 人が、「寛容であろう」と強く思うのは、寛容について書かれた自己啓発書を読んだときではない。寛容な姿勢を貫く、誰かを見たときだ。
 具体的な他人の行動こそが、自分に強い影響を与える。
 ミメーシス、感染的模倣、というらしいが、抽象的な理論ではなく、具体的な行動こそが、人の心に強く訴えかける。


 抽象的な概念よりも、それを実践した具体的な行為のほうが、より克明にイメージできる。
 これは、自信を身に着けたい人たちにとって、とても重要なことだと思う。


 何が「自信のある態度」なのかは、具体的な状況のなかで決まってくる。
 状況によって、答えは変わってくる。傲慢ではなく、かといって卑屈でもなくて。何が正しいのかは、その状況のなかから、自分なりに判断しないといけない。
 頭のなかで漠としたことを考えても、見えてこない。
 具体的な状況をイメージしないと、自分がやるべきことは見えてこない。


 ひたすら自信を持とうと自分に言い聞かせたり、自信を持つための心構えを学んだりしても、難しいと思う。
 それで上手くいくのなら、最初から苦労していない。
 それよりは、自信を持っているとはどういうことなのか、具体的に想起し、それに向かって行動を起こしていったほうが、動きやすいはずだ。

 これは「自信」だけでなく、「優しさ」や「朗らかさ」にも言える。
 「人当たりをよくしよう」と決意しても、何をしたらいいか分からない。だが、「自分から挨拶をしよう」とか「相手の目を見て話そう」とかなら、そのまま挑戦できる。上手く出来たかどうかも明瞭だから、反省や再挑戦がしやすい。


 自分の生活に違和感や不適合感を覚え、それを乗り越えるために自分を変えようとしている。
 どれくらいいるのか分からないけど、そういう人たちは、抽象的な概念に溺れすぎず、具体的な行為をイメージしてそれを目標にすると、上手くいきやすいのではないだろうか。