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正義と微笑

numb_86のブログ

ニコラ・スタージョン率いる社民主義政党、スコットランド国民党

 イギリスからの独立を目指した住民投票。そして、2015年総選挙での大躍進。
 スコットランド国民党(SNP)は、単なる地域政党の枠を超え、近年のイギリス政治で大きな存在感を放っている。
 その党首を務めるニコラ・スタージョン、彼女もまた、反緊縮を掲げる政治家の一人である。


 2014年9月、イギリスからの独立の是非を問う住民投票スコットランドで行われ、反対が賛成を上回った。
 スコットランド国民党(SNP)の党首であり、独立を推進してきたアレックス・サモンドは、党首を辞任。副党首であったニコラ・スタージョンが、次の党首になった。


 住民投票ではイギリス残留という結果になったが、SNPの勢いは衰えず、2015年5月の総選挙で大きく躍進。スコットランドに割り当てられた59議席中、56議席を獲得。国政に対しても少なからぬ影響を持つようになった。また、このことが、スコットランドを票田としていた労働党の敗北につながった。


 スコットランドの自治拡大は当然として、それ以外の政策としては、反緊縮、反核、民営化推進に反対、最低賃金の引き上げ、福祉予算削減に反対、などがある。
 緊縮財政に反対し、自国が保有する核兵器の廃棄を主張するなど、クラシカルな左派政党と言える。

 また、イギリスのEU残留を前提としており、EU脱退について国民投票を行うことを約束しているキャメロン首相とは、この点でも相容れない。
参考:スコットランド国民党(SNP)のマニフェストの内容 : 英国政治ニュース


 積極的な財政支出を行い、福祉も充実させるという「社会民主主義」路線は、今に始まったことではなく、従前からのものである。前党首でありSNPを大きく成長させたアレックス・サモンドも、社会主義的な考えを持っているとのこと。ニコラ・スタージョンも、その路線を踏襲している。
参考:注目の候補者② - アレックス・サモンド : 英国政治ニュース


 総選挙での大勝の背景には、この反緊縮の路線が受けた、という側面もある。
 イギリスの現政権は一貫して緊縮財政を推進しているが、それに対する国民の不満は根強い。2012年のロンドン・パラリンピック財務相が出席した際、ブーイングを浴びせられたほどである。
 しかし、野党第一党である労働党も、緊縮財政という路線では保守党との違いは少ない。
 そのため、堂々と反緊縮を掲げるSNPが、緊縮反対派の受け皿になった。
参考:
【英総選挙】「最も危険で魅力的」女性党首が台風の目 ポケットに収まる二大政党党首?(1/2ページ) - 産経ニュース
第2期キャメロン内閣の主要閣僚を紹介 - 英国ニュース、求人、イベント、コラム、レストラン、イギリス生活情報誌 - 英国ニュースダイジェスト
George Osborne booed at Paralympics - YouTube


 だがこの勝利は、党首であるニコラ・スタージョン個人の資質に負うところも多いと言われている。
 総選挙の前に行われた党首討論で脚光を浴び、新聞に「イギリス政界で最も危険な女」と書かれるほどの注目を集めた。

 スコットランド以外の地域にも響いたようで

英国内では「私はSNPに投票できるか?」という検索がグーグルで6位になり、討論中に11万3000回も「スタージョン」の名前がツイートされた。
2015年イギリス総選挙の行方を探る - 英国ニュース、求人、イベント、コラム、レストラン、イギリス生活情報誌 - 英国ニュースダイジェスト

 という。

 つまり、ただ単に「自治拡大や独立を求めるスコットランドの代表」としてのみ支持されている訳ではなく、保守党にも労働党にも賛同できない層を取り込み、反緊縮や左派の代表格として支持されている。
参考:
2015年イギリス総選挙の行方を探る - 英国ニュース、求人、イベント、コラム、レストラン、イギリス生活情報誌 - 英国ニュースダイジェスト
「左派のサッチャー」がスコットランドから誕生?(ブレイディみかこ) - 個人 - Yahoo!ニュース
英総選挙で注目の「スター」は | コリン・ジョイス | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
【英総選挙】「最も危険で魅力的」女性党首が台風の目 ポケットに収まる二大政党党首?(1/2ページ) - 産経ニュース



 個人的には、スコットランド独立の行方よりも、ここまで堂々と反緊縮を掲げる政治家や政党が支持を集めている、ということに興味がある。
 この人気や勢いが一過性のものなのか、それとも今後も反緊縮の動きが盛り上がり、実際の政策に反映されていくのか。
 前回紹介したジェレミー・コービンも反緊縮を掲げて大きな人気を集めているし、イギリスでは緊縮財政に反対する機運が高まっているのかもしれない。